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当事者の視点から理解を深める「認知症体験会」

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北海道 様似町

9月15日(日)、中央公民館で認知症体験会が行われました。認知症体験会は、株式会社シルバーウッドの大野彩子さんを講師に迎え、仮想現実を映し出す機械(以下、VR)を使いながら、認知症の症状や当事者の気持ちを「当事者の視点」で疑似体験し、認知症への理解を深める取り組みです。

参加者が最初に体験した『わたしをどうするのですか』では、ビルの屋上、手すりのない縁の部分に立っているような映像から始まり、介助者の男性と女性が「さあ、降りましょうね。大丈夫ですよ。」と笑顔で声をかけながら、足を踏み出すよう促します。この映像は、『視空間失認』という距離感が掴みにくくなる認知症の症状の一つを疑似体験出来る映像で、実際に認知症のかたが車から降りる時に感じた体験をもとに作られているそうです。周囲の介助者には車から地面に降りるまでの数センチの段差ですが、認知症の当事者にとってはビル屋上の縁から足場のないところに踏み出すような感覚を再現しています。
今回の体験会では視空間失認の体験の他に、レビー小体型認知症の一つである『幻視』や、今いる自分の場所がわからなくなるなどの症状がある『見当識障害』の体験を行いました。

参加者からは、「認知症は物忘れが代表的な症状だと思っていたが、それ以外にもさまざまことが起こり、いろいろな不安を抱えていることがわかりました。」、「認知症=何もわからなくなるということではないことを知ることができました。」などの意見が多数あり、認知症への理解が深まりました。また、「これからはもう少し認知症の勉強をしていきたいと思いました。」、「困ってそうな人がいたら声かけしようと思いました。」と、認知症に対して前向きな感想もいただきました。
講師の大野さんは、「当事者の立場を体験してみることで、認知症を考えるきっかけになればと思います。周りから見ると大したことがないことでも、本人の視点では全く違う景色に見えるかもしれない。問題行動を簡単に認知症の行動として片づけてしまうのではなく、周りの理解不足や関わり方を間違えていたかもしれないと考えて、認知症とともに生きる社会を考えていければ。」と体験会を通して伝えてくれました。

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今回の認知症体験会、広報の関矢もVRの体験をさせていただきました。知識としては知っている「認知症」ですが、想像だけでは感じることができなかった不安や恐怖などの感情を、VRの映像を通して体験できたのがとても勉強になりました。認知症について知らないことはきっとまだまだたくさんあると思いますが、今回の体験で得た気づきを大切にして、当事者の気持ちに寄り添えるような関わりができたらと思います。まずは、参加されたかたの感想にもあったように、困っているかたを見かけたら迷わず「どうかしましたか?」と声をかけられるようになりたいですね。

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